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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第22章 開戦と分断


チラと更紗が杏寿郎を見上げると、柔らかく目を細めた穏やかな表情で頷いて返してくれ、いつも通り優しい手つきで頭を撫でてくれた。
話す内容に反して柔らかな雰囲気を醸し出す2人に、天元は呆れながら頭をガシガシと掻き毟っている。

「んだよ……お前ら。俺が来なかったらどうするつもりだったんだ?俺か煉獄の継子たちの誰かが間に合わなけりゃ出来ねぇ計画だろ?よくもまぁ……そんな計画立てたな」

「ん?竈門少年たち、もしくは君が間に合うと考えていたからな!出来れば竈門少年たちの方が理想的ではあったが……宇髄は鬼殺隊ではないので巻き込むのは気が引けてな」

まさかそこまで考えていなかったなど言えない更紗は冷や汗を流しながら、天元には申し訳なさそうに眉と目じりを下げて腰を折った。

「私の無謀な計画に巻き込んでしまい申し訳ございません。天元君にはいつもご迷惑をおかけして……なんとお詫びを申したらいいのやら」

続いて杏寿郎にも頭を下げられた天元は溜め息を零してしゃがみこみ、一段と激しく頭を掻き毟ったが、その後に上げた顔は笑顔で満たされていた。

「若いヤツらに背負わせんには重すぎる計画だ!決戦に響いても良くねぇから、俺が適任だろ!計画には協力するが……姫さん、絶対失敗すんなよ。2人が戻らなかったら後味悪ぃどころの話しじゃねぇし、お館様もそんな事態、望んでないはずだ」
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