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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第22章 開戦と分断


「考えられるとすれば、体を動かさずに鬼舞辻無惨を攻撃出来る手段……尚且つ人手を必要としないもの。恐らく自爆……文字通り自らの体をも犠牲とする爆破だろう」

考えうる限りの準備を整えてきた更紗だが、自爆と言われ目の前が真っ暗になった。
何かしらお館様が身を呈して鬼舞辻無惨を足止めするならば、その兆候が見られてすぐ飛び出せばいいと考えていたが、爆破など飛び出す頃合いが分からないからだ。

「爆破だなんて……杏寿郎君なら爆破する頃合いは分かりますか?」

答えは分かりきっていたが、更紗の予想通り杏寿郎は首を左右に振って否と答えた。

「俺には分からない。だが……分かる手段があったとして、更紗はどう対処するつもりだ?よもや激しい爆風や炎が立ち上る中、そこに飛び込むなど考えていないだろうな?実物の炎の中に飛び込むなど自殺行為に等しいぞ」

先に全ての懸念事項を述べられ更紗は黙りこくった。
だがお館様が自爆をするなら、自分がその直前に飛び込むしか残された道はない。

「……それはそうですが、私ならお館様を助け出すことは不可能ではないと思います。刀鍛冶の里で怪音波を放たれた時と同じ対処……炎や爆風が止むまで治癒をかけ続ければ、私もお館様も命を落とさずにすむのではないでしょうか?」
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