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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第21章 秘密と葛藤


運ばれてきた大量の食事に舌鼓を打ち全員の腹が満たされたところで、ようやく本題へと話を移した。

「実弥さん、炭治郎さんと喧嘩をしてしまったとのことですが……互いに譲れない何かがありましたか?」

どちらが悪い、喧嘩なんてしてはいけない、我慢をしろ。
そういった類いの言葉が更紗から出るとはハナから思っていなかったが、なんとも優しく心地よい問いかけに実弥の表情が僅かに和らいだ。

「あ"ぁ"、まぁそんなところだ。俺に弟がいることは知ってるだろ?前の合戦の時に怒鳴りつけた奴だァ」

もちろん全員知っている。
本人は頑なに公の場で玄弥を弟だとは認めないが、柱や更紗は既に知るところなので頷いて返した。

「あいつ……鬼喰ってんだ。更紗、お前とは系統が違うが特異能力者ってところなんだろうがなァ。日輪刀の色も変えられねぇでどうやって鬼と闘ってんだと思ったら、鬼喰って体強化してたんだとよ……俺はそんなことさせるために遠ざけてんじゃねぇんだわ」

今の話だけで全員が何となく察した。
実弥の稽古を受けるために不死川邸を訪れた玄弥と遭遇し、前の合戦の時と同じように……いや、玄弥が鬼を喰らって闘っていると知ったからには、それ以上に憤慨し糾弾しただろう。

そして、そこへたまたま居合わせた炭治郎が玄弥を庇い、ことが大きく発展したと。
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