第20章 柱稽古とお館様
冷えきった体を昨日と同じく焚き火で暖めながら、作っておいた握り飯を全員でいただいた。
その後、丸太を担ぐことにより出来た剣士たちの擦り傷を治してやると、子供のようにはしゃいで喜んでもらえ更紗も喜んでいるところへ行冥がヌッと現れた。
「昼からは岩を押しなさい」
スッと指をさされた方に視線を送ると、そこには朝目にした自分の縦寸より大きな岩が押されるのを今か今かと待ち構えている。
更紗とて押させていただきたいのは山々だが、滝行を完璧にこなした自信が無いので首を傾げてしまう。
「もう次の稽古に移行してよろしいのですか?まだ数刻しか丸太を担いでおりませんが……」
「稽古は時間により決まるものではない。次に移行して問題ないと私は判断した。あとはそこの2人も昼からは岩を押すように」
こうして行冥に岩押し稽古へ移行するよう指示を出されたのは更紗とほぼ同じ時間丸太を担ぎきった2人のみ。
3人は顔を見合せ頷き合うと立ち上がり、早速それぞれ用意された岩の前へ歩み寄った。
「改めて目の前で見ると動かせるか不安になりますが……努力あるのみですね。今まで鍛えていただいた成果を存分に発揮しなくては」