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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第20章 柱稽古とお館様


今日も今日とて剣士たちがどんどん傷だらけとなり、みるみるうちに杭へと縛り上げられていく。
その様はさながら地獄絵図のようである。

半刻もしない間に更紗以外の剣士が見るも無残な姿になってしまった。

「貴様らは全く成長しない、強くなる気はあるのか?いつまでも俺を苛立たせるな」

目を吊り上げる小芭内はまるで般若だ。
ひっそりと身震いする更紗へ、般若の形相のまま向き直り木刀の先を向けた。

「準備は完了した、いつでも来い。俺も本気でいくぞ」

鋭い視線に怖気付きそうになる自分を奮い立たせ、深呼吸を1つ零して痣を発現。
練り上げられていく更紗の闘気に剣士たちが一斉に息を呑んだ瞬間、道場の床がめり込みそうなほどに足を踏み締め戦闘態勢を整える。

「望むところです」

力の限り床を蹴りつけた更紗の体は真っ直ぐ小芭内へと向かった。
その瞳の色は薄く、顔には僅かに笑みがたたえられている。
いつの日か鬼となった屋敷の当主へ攻撃を仕掛けた時と同じ表情。

銀色の髪を靡かせ小芭内へ詰め寄る更紗は、消えてしまいそうに儚い修羅のように剣士たちの目には映った。
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