第4章 鍛錬と最終選別
そうして煉獄家へ皆で帰って来て、更紗、杏寿郎は家に置いてある道着を、天元に関してはなぜか持参していた隊服を着て道場に来ていた。
千寿郎は今日は家事をすると張り切って家の中へ入っていったので、柔軟は更紗1人きりで行う。
1人と言っても、先に杏寿郎が指導してくれるので今は1人ではない。
「まずは足を左右に広げて、一方の爪先に手をこうやって」
お手本を見せてくれる杏寿郎は、流石は柱と言ったところか、柔軟も日々きちんと行っているであろう柔らかさである。
更紗は杏寿郎の指導通りに足を左右に真っ直ぐに開き、片方の爪先に手を持って行ってビタッと体を倒す。
杏寿郎の柔らかさをゆうに超える柔らかさを見せつけられ、杏寿郎は固まっている。
(あ、あれ??この反応は喜んでいいのでしょうか?それともどこかお手本と違ってるのでしょうか?)
更紗は戸惑って足を開いたまま体を起こす。
「師範、何か間違っていましたか?」
不安げな更紗の声にようやく我に返った杏寿郎は、胡座をかいて更紗の柔らかすぎる足を見た。