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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第20章 柱稽古とお館様


その出入口の前に辿り着くと、小芭内は引き戸をなんの迷いもなく勢いよく開いたが……目の前に広がる光景に更紗は顔を引き攣らせた。

「これは……どういった状況なのでしょうか?あの杭は本来、別の目的で造られているように感じますが」

床や壁から突き出している杭は元々太刀筋を矯正するために故意に造られた物のはずだ。
それが今ではもう1つの役割を新たに与えられている。

「そうだな、だが丁度いいだろう。俺を苛つかせ言ったことを全く理解出来ず何度も同じ失敗を繰り返す奴らには似合いだ」

早口で捲し立てている様子から無表情の奥に怒りを漲らせているのは間違いない。
小芭内の首に巻き付いている鏑丸も憤慨しているのか、鼻息が荒いように見える。

「しかしですね……杭に括り付けられている剣士たちの姿はあまりに刺激が強いと言いますか……よろしければ私の力の訓練のためにも解放して差し上げるわけにはいきませんか?」

「それならば尚更解放する必要はないだろう?偶然にも奴らは怪我をしており様々な場所に縛り付けられている。力の範囲指定を試すには打って付けではないか」

言っていることが理にかなっていて何も言い返せない。
だが剣士たちの視線が更紗に訴えかけてくる。

『助けてくれ!』

と。
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