• テキストサイズ

月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第20章 柱稽古とお館様


突如屋敷の影から小芭内が姿を現し更紗の心臓が飛び跳ねたが、それよりも蜜璃の稽古で苦戦していたことを知られている事実の方が衝撃的だった。

「そんな……私が壊れかけの絡繰人形のような動きをしていたことが知られているなんて……師範のお顔に泥を塗って」

「待て、そこまで甘露寺から聞いてはいない。ただ毎日諦めずに頑張ってると聞いただけだ」

自ら醜態を晒してしまった。
言わなくていい詳細を口走ったばかりに本当に杏寿郎の顔に泥を……それに加え目の前の小芭内にどういう反応をするべきかと悩ませてしまっている。
もはや一刻も早く忘れてもらう以外残された道はない。

「い、今言ったことはきれいさっぱりお忘れください!それより稽古をお願いいたします!他の剣士の方々はどこでしょう?声すら聞こえませんが、いらっしゃいますよね?」

「……分かったから慌てるな。剣士は着いてくれば分かる」

クルリと身を翻した小芭内の肩が小刻みに震えている……きっと笑いをこらえているのだろうが、一応配慮して後ろを向いてくれたので更紗は何も言えない。
大人しく先を歩く小芭内の後に続くと、きっちりと出入口が閉じられた道場がすぐに目に入ってきた。
/ 1883ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp