第4章 鍛錬と最終選別
「おい、煉獄!こっち向けよ!!姫さん、お前のお姫様になれたら嬉しいってよ!派手に嬉しいじゃねぇか!え?!」
酒の力も合わさってか、天元の杏寿郎に対する扱いがどんどん酷くなっていく。
初めこそ面倒ながらもちゃんと相手をしてやっていた杏寿郎だが、度が過ぎていく天元にイライラを募らせていた。
そしてそんな様子を更紗と千寿郎はオロオロしながら2人のやり取りを見ている。
杏寿郎にとっては、ここで喧嘩をしてしまえばせっかくの更紗の歓迎会が失敗に終わってしまうと言う考えだけが、感情を抑えている。
そんな思いを知ってか知らずか……いや、間違いなく知って絡んでいってるのだろう。
杏寿郎をこっちに向かせようと、太腕の馬鹿力で頭を掴み無理矢理捻っている。
限界まで粘っていた杏寿郎だったが、力だけでは天元に勝てず皆に表情が見えるところまできてしまった。
「なぁ、姫さん!煉獄のお姫様になれたら派手に嬉しいよな?!」
本当にタチが悪い。
杏寿郎だから丸くおさまっているものの、普通ならば喧嘩になっていてもおかしくない状況だ。
そして更紗もある意味タチが悪い。