第18章 閑話休題
「我が家へやって来た時は、こんな華奢な子が鬼殺隊としてやっていけるのかと思っていましたが……元柱の私から見ても強いと思います。現役の炎柱である杏寿郎相手にあそこまで食い付いていけるまで成長していたことに、私自身驚いていますが」
実際に更紗独自の呼吸の技を目にしたのは槇寿郎も千寿郎も今日が初めてだ。
その存在を知ってはいたが、改めて目にするとその威力には目を見張るものがあった。
「僕も強いと思います。僕は剣士になれなかったので参考にならないかもしれませんが……兄上が本気で相手をしているのに更紗さんはたまに笑顔を覗かせていますし。凄いなって思います」
少し寂しげに瞳を揺らせた千寿郎の髪をクシャッと撫で、天元が笑顔で珍しい見た目の美しい鈴を2人の前に翳した。
「これは前に姫さんと試合をした時に姫さんから奪い取った鈴です。だが姫さんも俺から鈴を奪い取った。現役の音柱だった俺からだ。お2人が見て感じた通り、姫さんは強いです。並の剣士相手なら絶対に負けねぇ。それもこれも、目の前で鬼によって奪われようとしてる命を救いたいって想いから……その想いを叶えられるほどに育ててくれた煉獄に報いるために強くなった」