第4章 鍛錬と最終選別
ここは杏寿郎の行きつけの店だ。
常連が連れて来たたまに一緒に来ていた弟と、初めて連れて来た可愛らしい少女を守らなければと、包丁以外の調理器具を持って有事の際には殴り付けて追い返そうとしてくれていたのだ。
「い、いえ、私達は結局何も出来ませんでしたから……」
「それでもその心意気を嬉しく思う!これからは用心する故、これからもよろしく頼む!」
店員2人は何度も頷くと、ある提案をしてきた。
「今回の件はうちの店の管理体制にも問題がありました。よければ今日はご馳走させていただけませんか?」
「いや、しかしこちらの不注意が……」
「いえ、いつも煉獄様にはご贔屓にしていただいていますので!今日くらいは!」
うぅむ……と悩む杏寿郎の肩にごつい腕が回されてきた。
「無碍にすんなよ、煉獄!こういう好意は派手に有難く受け取っとくもんだ!な、店員さんっ!」
思わぬ後押しをもらった店員2人は、それはもうニコニコと頷いた。
「むぅ……では言葉に甘えさせてもらうか。更紗と千寿郎も構わないか?」
もちろん2人は杏寿郎の決定にいなと答える訳もなく頷く。
「ありがとうございます。私、結構食べますが大丈夫ですか?」