第18章 閑話休題
「元気出させりゃいいんだろ?!んなの簡単じゃねぇか!闘い挑めばあいつはのってくるはずだ!」
思い思いのことを喚くが、天元はそれに呆れたと言わんばかりに大きくため息をつき2人の頭を鷲掴みにして握力のみで黙らせる。
「なってねぇなぁ!お前ら本当になってねぇ!堅物の煉獄の継子だから仕方ねぇかもしれないが、煉獄は姫さんを元気にさせるのはお手のもんだぞ?そしてこの俺もお手のもんだ!」
そう言って頭の痛みに唸る2人から手を離し、静かに事の成り行きを見守っていた杏寿郎をチラと見てから1度頷いて更紗の元へと駆けていった。
更紗と天元が何かやり取りをしている様子をみつめながら、炭治郎は今朝更紗と会った時から感じていた疑問を杏寿郎に尋ねる。
「煉獄さん、どうして更紗は両親に会えるのにあんなに戸惑っているんですか?罪悪感を感じてる匂いがするんですよね」
「あの子以外、俺たち全員が何かしらの理由で家族を亡くしているからだろう。どうしたらいいのか本人が1番悩んで答えが出ずに戸惑い抜け出せなくなった……というところだろうな!なに、宇髄に任せておけば心配あるまい。ほら、笑顔が戻ってきた」
杏寿郎に促されて2人に視線を戻すと、先程まで微妙な笑顔で複雑な感情を抱いてたはずの更紗は晴れやかな表情に変化しつつあった。