第18章 閑話休題
「申し訳ございません……杏寿郎君の気持ちをこうして知ることになるとは思いもしませんでした……あ、あの、それでお義父さまの反応はどうでしたか?呆れてたりげんなりしていたりしなかったですか?」
もう必死である。
渋々顔合わせの件を受けてくれていたのならば、両親が到着するまでに槇寿郎へ誠心誠意謝罪しなくてはならないからだ。
「笑ってオラレマシタ。喜んでお受けスルノデ、息子たちへ伝えテヤッテクレと笑顔デ見送って下サッタノデ」
神久夜の言葉に更紗は力が抜けたのか、ヘナヘナと床へ両手の平をつけどうにか倒れるのを免れた体勢となった。
そんな更紗の体を杏寿郎は自分の胸の中へと誘い、ゆっくりと頭を撫でる。
「父上も喜んでいらっしゃるのだ、更紗がそう気にすることでもない。君の母上が何を思って神久夜へ手紙を託したか、はっきりとは分からないが……そうしなければならないと直感が働いたのかもしれん。取り敢えず今日はもう休もう、宇髄へは明日の朝報告して予定がつくようなら共に来てもらえばいい」
「……はい」
こうして翌朝の天元の行動に繋がることとなる。