• テキストサイズ

月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第18章 閑話休題


一応確認を取っているがすでにほぼ決定事項なので更紗が万が一拒否したり、なぜ先に相談してくれなかったのかと言われてしまえば杏寿郎は言い返せない。

一抹の不安を抱えながら更紗を見つめていると、ふわりと笑顔を覗かせ嬉しそうに頬赤らめながら杏寿郎の手を握った。

そんな様子に胸をなでおろしながら握られた手を握り返すと、更紗はより一層笑顔を深めて胸中を零す。

「ありがとうございます。実は先ほど外で昔の……お父さんとお母さんと過ごしていた時のことを思い出していたのです。それはやっぱり、これからの闘いで両親の事が心の中で気がかりだったんだと思います」

文通は度々していたが実際に会ったのは藤の花の家紋の家でのみ。
もう数ヶ月も会っておらず、このまま戦場に行くことに少なからず更紗が罪悪感を抱いていたから昔のことが思い出されたのかもしれない。

「昔のことを……そうか。もっと会わせてやれてたらよかったな。こんな形で会うことになって更紗には悪いと思っている」

「いえ!こんな身の上で頻繁に会えないのは私が1番理解していますし、両親もそれは分かってくれています。むしろお手紙には毎回お父さんから、杏寿郎君やご家族、鬼殺隊の皆さんにご迷惑を掛けていないだろうね?きちんと礼儀を持って接しなさい、特に杏寿郎君には……と書かれています」
/ 1883ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp