第18章 閑話休題
準備とは何かと首を傾げたが、杏寿郎に以前に聞いた話が更紗の頭の中に浮かんだ。
「それは柱稽古なるものでしょうか?」
当時は柱の時間を設けることが難しく実施できる見込みが立っていないとのことだったが、確かに今は絶好の機会なのだろう。
「そうだ、鬼の討伐任務が鬼殺隊全体でなくなったからな。柱も警邏や雑務のみとなるので、比較的時間に余裕が出来た。剣士全員がそれぞれの柱の元へ通い、柱が課す課題をこなすことになる。柱が1人足りないので、そこは宇髄が協力してくれるようだぞ?」
天元の名前を聞いて更紗の表情がパッと明るくなる。
どのような課題を出されるのかは分からないが、更紗は天元に鍛錬を付けてもらっていたので、純粋にその時のことを思い出し嬉しいようである。
「なんだか懐かしくて稽古といえど楽しみです!杏寿郎君はどのような課題を出される予定なのですか?」
「それは当日までのお楽しみだ!ちなみに更紗は柱稽古を他の剣士より早く終わらせ、胡蝶と一緒に研究をするという予定も入っているぞ!総力戦となるかもしれん状況だ、君の能力が必ず必要となる。厳しく忙しい毎日となるが出来そうか?」