• テキストサイズ

月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第18章 閑話休題


「宇髄は父上や千寿郎と同じ立ち位置だからな!家族に抱き寄せられて顔を赤らめる者はいるまい!宇髄は更紗にとって兄のような存在なので赤くなるわけがないだろう!これは俺だけの特権だ!」

自信満々に高らかに告げているが、ただの惚気に過ぎない。

「そうかよ。柱に兄貴が2人もいちゃあ、特別感も薄れるがまぁ姫さんがいいならそれでいっか!おら、いつまでもイチャこいてねぇでメシ食いに戻るぞ!あいつら待ってるし、嫁たちも姫さん用に粥作ってソワソワしてっからな!」

グゥウーー……

その場の空気が止まった。
杏寿郎も天元も夕餉の途中で部屋を出て来たので、腹の虫が鳴ることはない。
となるとその音の発生源は1つしかない。

「お粥と聞くとお腹が突然空いてきちゃって……図々しくてすみません……」

「フフッ、2日も何も食べていないのだから腹も空くだろう!俺や竈門少年たちも戴いているので、座るのが辛くなければ一緒に食べさせてもらおう」

杏寿郎は腕の中で小さく縮こまる更紗を解放し、背に手を当てて皆が夕餉を食べている部屋へと促し、天元はニカッと笑って今は結い上げていない髪をくしゃりと撫でる。

「たらふく食え!姫さんはただでさえ細ぇんだから、腹一杯食って英気養わねぇと倒れちまうぞ!腹が減るのは元気の証だ、恥ずかしがることじゃない!じゃ、早速向かいますか」

2人の温かい言葉とこれから食せる粥に心躍らせながら、足取り軽く廊下を進んでいった。
/ 1883ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp