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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第18章 閑話休題


小さくつかれたため息は呆れているのではなく本当に安心しているのだと伝わり、微かに背中に触れている腕から広がる温かさと共に胸の中も温かさで満たされていった。

「ありがとうございます。天元君が私の居場所を探し当ててくれたのだと杏寿郎君から聞きました……感謝してもしきれません」

「感謝なんていらねぇよ!ほら、煉獄んとこ戻っていいぞ。目の前にいる姫さんが幻じゃないって実感出来たから満足だ!悪かったな、煉獄!」

グイと体を横に押され杏寿郎の前へと戻ると、今度は杏寿郎がしっかりと腕を更紗の背中に回した。

「いや、今回は状況が状況だったのでな!こうして更紗が腕の中で顔を赤く出来るのも宇髄のお陰だ!なぁ、更紗」

「ふ……は、はい」

耳元に顔を寄せられて名前を呼ばれるものだから、余計に更紗の顔に血が登り、気絶してしまうのではないかと心配になるほど赤くなってしまう。
その様子が懐かしいと言わんばかりに天元も満足気に頷いていたが、1つ疑問が浮かんだ。

「てか姫さんは俺に抱き寄せられても何で顔赤くなんねぇんだよ?俺も男なんだけど」

少しばかり男としての矜持が傷付いたのか、不満げに眉が寄っている。
そんな天元へ杏寿郎が答える余裕のない更紗の代わりに答えた。
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