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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第17章 歪みと嘘


そこからの杏寿郎の動きは走り続けて景色が流れている更紗にとっても、目で追いたくなるほど洗練されていた。
無駄がなく一つ一つ繰り出される技は力強いにも関わらず、次の技へ切り替える動作が滑らかで、まるで舞を舞っているようで見入ってしまいたくなる。

金と赫の髪が杏寿郎の体の動きに合わせて揺れ、赫い刃の軌道に沿って炎の残影が映し出される。
それに伴い龍の体が切り裂かれ、断面は焼かれたかの如く赤く染まり再生を阻んでおり、新たに龍の頭は生み出されていない。

「痣の影響で上がった身体能力を完璧に使いこなせると、あのようになるのですね。私も頑張らないと」

杏寿郎に共鳴するように更紗の瞳の色が薄くなって痣が色濃くなり、体温と心拍数が上昇する。

一瞬、ほんの瞬き1つにも満たない時間、姿が見え始めた子供鬼の体が透けて見えた。
それこそ感覚で動きが分かるなんて曖昧なものでなく、目で見て筋肉や骨の動きが確認出来る明確なものだ。

「今の何……?分からないけど……次の動きは怪音波を出す太鼓を叩くものです!」

雷や爆風は避けるしか手はないが、怪音波なら粒子を纏えば避けずともこのまま速度を落とさずに子供鬼へと距離を詰めることが可能である。
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