第17章 歪みと嘘
塵となって上弦の伍が消えゆく最中、何やら暴言を吐いていたがそれが聞こえないほど更紗は安堵し、地面へとへたり込んでいった。
「時透様!やはりお強いですね!柱の方は皆さんお強いのに心優しくて……凄いなって思います」
フニャと笑う更紗に無一郎も笑顔を返しながら自らの隊服の上を脱ぎ、更紗の上半身が隠れるようにそっと被せてやった。
「俺は君も十分凄いと思うけど……煉獄さんに言われたことない?無防備すぎるって。自分の隊服、見てみなよ」
杏寿郎だけでなく天元にも同じような事を言われた記憶のある更紗は、恐る恐る被せてくれた隊服の隙間から自分の隊服を覗き見て……顔を真っ赤にした。
「服がなくなって……お、お見苦しいものを……失礼しました」
更紗の隊服は下の襯衣まで胸の下辺りから腹の部分がポッカリとなくなっていたのだ。
無一郎に止められていなければ、下手をすれば風で捲れ上がって全てをさらけ出していたかもしれない。
「ううん、見苦しいとかじゃなくて目のやり場に困っただけだから気にしなくていいよ。それより俺は今から里長の所に向かおうと思ってるけど更紗ちゃんはどうする?痺れが残ってるなら無理しない方がいいと思うけど」