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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第17章 歪みと嘘


無一郎は無表情だが、その無表情に更に磨きを掛けて再び上弦の伍へと体を向けて、今度は一気に距離を詰めて戦闘を開始した。

その間に更紗は小屋の前へと移動し中をチラと確認する。

小屋内には一心不乱に刀を研ぎ続ける鋼鐵塚と、その傍らで見守るように鉄穴森が立っていたが、全身棘だらけの更紗の姿を見て慌てて駆け寄ってきた。

「更紗さん!なんというお姿……早く手当てを」

そう言って更紗へ差し出してくれた手を首を左右に振ることで止める。

「鉄穴森様はお手を触れませんよう。私は既に麻痺毒に冒されていますので棘に触れたとて問題ございませんが、冒されていない方が触れた時にどんな害が出るか分かりません。ご心配ありがとうございます、中に隠れていてください。ここは私が守ります」

麻痺で崩れ落ちそうになる体を叱責して足を踏ん張り、1つずつ棘を抜いては治癒をかけて傷口を塞いでいく。
どうやら痣の毒分解能力にも限界があるようで、なかなか麻痺はおさまらずに広がっていった。

それでも守る存在がいて、自分の代わりに上弦の鬼と闘ってくれている柱が目の前にいるので倒れている場合ではない。

「あと少しで回復させてみせます。早く戦闘に戻らなくては」
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