第4章 鍛錬と最終選別
「なぁ、知ってっか?煉獄」
体格のいい2人が道を歩いていると幅をとるが、2人の迫力から道行く人は自然と2人に道を譲っている。
お陰様でスイスイと食事処へと向かえている。
「なんだ、宇髄」
まだ何かあるのかとジトッと目配せするが、そんなんじゃないと言うように片手をフラフラと振った。
「他の男が放っておかねえって言う話をしていたら、だいたい店に戻ったらどこぞの輩に、おまえの姫さんが絡まれてる確率が高いっつぅ話」
「何?!ならそんな話を持ち掛けるな!」
本当に焦った顔をして食事処へと突っ込んで行く杏寿郎を見て、天元はクツクツと喉を鳴らして笑った。
「マジかよ、あいつ!!派手に面白ぇ!!」
そう言って天元も早足で後を追った。
真面目で普段怒らない人ほど怒ると怖いと言うが一体杏寿郎は輩がいた場合どのように追い払うのかと、不謹慎な事だとは分かりつつも見てみたいと天元は思った。
「まぁ、俺なら嫁達が絡まれてたら速攻で派手にぶち飛ばすがな!!」
悪い顔で笑いながら食事処の暖簾をくぐり、中へと入っていった。