第17章 歪みと嘘
「破壊するもなにも君はあの金魚の麻痺毒にやられてるんじゃないの?そんなんで闘えるとは思えないけど」
的を得た指摘に冷や汗を流しつつ、更紗は立ち上がって即座に傷口を塞ぎ体を動かして麻痺の具合を確認し、再度無一郎へ笑顔を向けた。
「問題なく動きます!瞳の色が薄くなった時より痣が出ている今の方が毒の分解が早いみたいです。おそらく痣は鬼から受けた傷などを早く癒す力があります」
「何それ……まぁいいや。闘えるなら僕の刀を交換するまで主力として動いてくれる?この鉄穴森って人が僕の新しい刀鍛冶なんだよ。……合戦の時みたいに動けるなら時間稼ぎくらい出来るよね?」
無一郎はサラリと流したが、鬼から受けた傷や毒を癒す力をも持つ痣は里の人からしても途轍もなく剣士にとって有利なものだ。
そんな情報を
まぁいいや
で済まされてしまったものの、更紗はそれよりも無一郎に任せてもらえたことが嬉しく、前へ1歩歩み出て日輪刀を構えた。
「お任せ下さい。ここの金魚と壺は私が全て対処させていただきます!鉄穴森様、時透様へ新しい刀を……あと、私の刀をいつも鍛えてくださってありがとうございます。貴方のお陰様で人を救えます!」