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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第17章 歪みと嘘


「む……」

もちろんそんなこと禰豆子は知らない。
だが杏寿郎も大人の女性の姿となった禰豆子の戦闘力を知らない。
それでも杏寿郎はこの鬼が花街での兄妹鬼のように複数に分裂し増えたことを理解し、錫杖を持つ目の前の鬼如き1人で倒せると判断したのだ。

「俺の心配はいらない。こちらにはもうすぐ不死川弟も駆け付けてくれる……禰豆子少女、竈門少年には君の力が必要だ。頼む」

初めて名前を呼ばれた禰豆子は少し目を見開き驚いたが、力強く1度頷くと杏寿郎と鬼に背を向けて炭治郎の救援に向かった。
その様子を一部始終見ていた鬼は何故だか怒っているように見える。

「なんだ?俺が相手だと不満か?」

「貴様、なんだその痣は。何処かで見た記憶があるぞ」

意味の分からない言葉に杏寿郎は眉をひそめたまま首を傾げる。

現在鬼殺隊内で痣を発現しているのは自分と炭治郎、それに更紗だけである。
炭治郎とは先ほどまで闘っていたはずなので何処かでというには不確か過ぎる。
後は更紗だが、更紗の体に痣が発現したのはごく最近であり、鬼舞辻から情報が共有されているにしても何処かでなど不明確な言い方はしないだろう。

「君に教える義理もないし、記憶が戻るまで待つつもりもない!」
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