第17章 歪みと嘘
隊服と日輪刀を持参して。
「今日の夜、任務が入ったのですか?」
体調万全の更紗からすれば任務があるならば休ませてもらった分しっかり果たそうという心積りだが、露天風呂に隊服と日輪刀は不思議な組み合わせに思えた。
「任務は入っていないが、こうして日輪刀も戻ってきたので今日は交代で眠ろうと思っている。何かあった時、どちらかが起きていればすぐに対処が出来るだろう?」
鬼滅への飽くなき精神を持つ師範の弟子、肉体派の更紗は大きく頷いた。
「そうですね!それならば部屋に戻りましたら先に杏寿郎君がお休みになってください!夜の見張りは私にお任せあれです!」
まだ風呂にも入っていないがやる気満々で、なんなら今から鬼狩りへと赴きそうな勢いである。
「言葉に甘えさせてもらうぞ!だがその前にしっかり体を温めて筋肉を解しておかなくてはな!ではまた中でな。急ぐ必要はないのでゆっくり来なさい」
「はい、また後ほどです」
2人は最後の露天風呂を満喫するため、分けられている脱衣場へとそれぞれ足取り軽く入っていった。