第17章 歪みと嘘
その後、刀鍛冶の里へと到着した炭治郎と禰豆子を出迎え、涙ながらの再会を果たした。
ひとしきり炭治郎と更紗が涙を流し終えたあと、2人は里へ来るのが初めてなので里長の元へと杏寿郎に連れられ挨拶に向かい、その部屋の中にいた刀鍛冶と思われる人々が全員ひょっとこのお面を装着していることに、更紗も炭治郎も驚いたことは言うまでもない。
そしてひょっとこのお面を被った小柄な里長の話によると炭治郎の担当刀鍛冶である鋼鐵塚は何故か行方不明のようで、見つかり次第炭治郎の刀の修繕が行われるらしい。
なんでも
「見つけ次第取り押さえて連れてくる」
とのことで、更紗は争いごとが起こりませんようにと心の中でひっそりただただ祈った。
こうして無事に?挨拶も終え、炭治郎は任務での傷や疲れを癒すために露天風呂へ向かったが、更紗は体調が万全ではないので杏寿郎と共に部屋へと戻った。
「杏寿郎君、私はここにいて大丈夫なのでしょうか?鬼舞辻や他の鬼に追われていますし、合戦の時は日が沈んでないにもかかわらず猗窩座が……」
そう思うのも仕方ないだろう。
刀鍛冶の里は鬼に見つからないよう厳重に隠されており、柱でさえ正確な場所を知らされていない。
そんな場所へ鬼が狙っている存在である自分がいれば、この里に被害が及ぶのではと考えているのだ。