第4章 鍛錬と最終選別
「宇髄、趣味が悪いぞ」
「ブフッ!!好奇心旺盛と言ってくれや!」
どんなに踏み込むなと言っても、天元には効き目はないだろう。
もう杏寿郎の心の内がバレている時点で逃げ道は無いに等しい。
「それを趣味が悪いと言っているのだが……それで、俺が更紗に惚れてたらどうなのだ?」
「いや、どうもしねぇよ。ただ、お前見た目通り奥手だろうから、心配になっただけだ」
いつになく物静かな天元の声に杏寿郎はそちらへ目を向ける。
男の杏寿郎から見ても、天元の顔は整っていて真剣な眼差しは嫌に迫力がある。
「心配だと?君がか?」
「おいおい、俺の事どう思ってんだよ。俺だってからかいつつも心配するってぇの」
そのからかいが不必要だと心の中で思ったが、言ったところで馬の耳に念仏な事は今までの付き合いから理解しているので、あえて突っ込む事はしなかった。
「なぁ、煉獄。俺達鬼殺隊の柱は一般の剣士よりも手強い鬼と戦う事が多い。お前は強いし簡単にはくたばらねぇとは思ってる。だが、いつ何が起こるか分かんねぇ。しかも弟子にしたってことは、更紗を最終選別に近々行けせるんだろ?」