第4章 鍛錬と最終選別
ところ変わってこちらは杏寿郎と天元。
更紗達のいる食事処から少し離れた雑貨屋の店の壁にもたれかかっている。つまり、横路地に入っているのだ。
「宇髄、どうして君がここにいる?ここらで任務があると言う話は聞いてないが」
「何でって言われてもなぁ!風の噂でお前が派手にベッピンな弟子をとったって聞いたから、どんなもんか見に来たって訳よ」
つまり野次馬根性という事だ。
杏寿郎は呆れたように溜息をつき項垂れる。
「おいおい、ため息つくなよ!そりゃあ、女っ気の全くねぇお前が鬼殺隊に今まで縁もゆかりも無い女の弟子をとったと聞きゃあ、派手に興味もわくってもんだろ!」
天元は間違いなく楽しんでいる。
この派手好きの男からしたら、柱の色恋沙汰は何よりも飛び付きたくなる話題なのだろう。
「別に更紗がベッピンだから弟子にしたわけではない!それくらいの情報、宇髄ならつかんでいただろ?」
分かってねぇなぁと天元は呟きながら杏寿郎の肩に手を置く。
「だからこそ、その後に惚れたのか聞きに来たんだろ」
もう目がキラッキラしている。
答えは既にわかっているのに、杏寿郎の口から聞くまで納得いかないと言うように口を三日月形に歪めている。