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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第16章 柱と温泉


猗窩座は更紗から距離を取って一瞥すると、開け放たれたままの窓から暗くなった外へと飛び出していってしまった。

「……見張りではなかったのでしょうか?それとも窓の外はまた変なところに繋がってる?」

この部屋にいるのは更紗1人だ。
いつ猗窩座が戻るかも鬼舞辻が戻るかも分からない部屋に長居する必要は全くないので、恐る恐る猗窩座が出ていった窓から外を覗き込む。
2階にある部屋だったようで下までの距離はそれなりにあるが、鬼殺隊で任務をこなしている更紗からすれば何の不安も抱かない高さである。

「不自然なところはなさそうですね。こんなところ早く出て家に帰らなくては」

日輪刀を鞘へしまうと綺麗な彫刻の施された手摺を乗り越えて庭へと降り立ち、辺りを警戒しながら広い庭を横切って塀を飛び越え通りへ出た。

「猗窩座も鬼舞辻も一体何のつもりでしょう。意味なく攫われたこちらの身にもなってもらいたいです……研究で体を切り刻まれたりするよりいいですが……ふぅ、逃走準備を整えましょう」

日が落ちたと言えどまだいくつか商店は開いているはず。
更紗は目立つ日輪刀を背中へ差し直し、練り香水を惜しげも無く手首と首筋に塗り込んで移動を開始した。
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