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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第16章 柱と温泉


その後の勝敗は言わずもがなである。
今まで培われてきた柱としての力を持つ2人に加え、内1人は痣者となったのだ。
勝敗など初めから分かりきっていたが、悔しいものは悔しいようで更紗の口が少しへの字となっている。

「そう拗ねんなって!俺の鈴取れたんだし、あんだけの柱相手に出来りゃあ十分だ!願いも1つ叶えてもらえるじゃねぇか、大金星だって!」

「その通りだ!誇ることであって拗ねる必要などないぞ!ほら、剣士たちが諸手を挙げて喜んでいる」

杏寿郎の視線に促されそちらを向くと、金の鈴1つ柱から奪い取り剣士側の勝利となったので、鈴取り合戦第2幕を観戦していた剣士たちが大いに盛り上がっていた。

「その悔しさは必ず更紗の糧となる。だが今は俺たち柱に勝ったのだから素直に喜びなさい。君が拗ねていては今からの閉会の儀が締まらんぞ?」

そう言われてはいつまでもご機嫌斜めではいられない。
更紗は気持ちを切り替えるために1度深呼吸すると、次の瞬間には笑顔となった。

「はい!合戦に勝てた事、すごく嬉しいです!では私はこちらで待機しておりますので、杏寿郎君と天元君は皆さんの前へ向かってください」

すでに他の柱たちは喜びに浸る剣士たちの前へと移動しつつある。

「あぁ、後ほど君も呼ばれるだろうからそれまでここにいてくれ。宇髄、行こうか」

「ぉう!じゃ姫さん、また後でな!」

更紗に背を向けて歩き出した2人が夕日に照らされて眩しく思わず目を細めた途端、左腕を強い力で引っ張られた。

更紗が確認出来たのは神久夜が足に何かを持って高速で飛んでくる姿だけ。

僅か数秒でその場から一人の人間が忽然と姿を消した。
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