第16章 柱と温泉
そこからは果し状の試合を挟むことなく一気に試合は進められていった。
なんでも2人を相手取る更紗へのせめてもの計らいらしい。
本試合後で柱の体に疲れが残っている状態なら、僅かであっても動きが鈍るはずとのことだ。
確かに痣を発現させている炭治郎と杏寿郎の試合は今までのどの試合よりも時間を有し、最終的に杏寿郎が勝利したものの少しだけ疲れているように見える。
それでも数分後には完全回復しているので更紗は度肝を抜かれた。
伊之助と実弥の試合では
「そんなもん被ってて俺に勝てんのかよ?!」
「お前こそヒョロがりと闘った後で俺の相手出来んのか?!」
と挑発し合い貶し合いが延々と続き、なぜだか本人たち以外の観戦者たちの心を深く抉っていたとか……
更に善逸と小芭内戦では眠り続ける善逸に恨み言を吐き続け、危うくいつまで経っても目を覚まさない善逸に愛想を尽かせた小芭内が
「話しにならん」
と言って試合自体がおじゃんになりかけた。
それを杏寿郎が上手く取り成しどうにか試合は開始されたが、未だに小芭内は納得していないようでご立腹のままだ。
そして最終戦の玄弥と義勇の試合。
これもちょっとした騒ぎとなった。