第16章 柱と温泉
「心配ない!俺たちが同時に攻撃しなければいいだけの話だ!交互に攻撃すれば挟み撃ちになるまい。それに花街で君たちが倒した鬼は2体で1体だったのだろう?特殊な事例だが、これからも出んとも限らんから経験しておくに越したことはないぞ!」
確かに上弦の鬼は柱3人分の力量だと言われている。
これから上弦の鬼を相手取る可能性があることを考えると経験しておくに越したことはない。
まだ合間見えたことのない上弦が陸と同じく特殊かもしれない。
杏寿郎の提案に引き気味の義勇をよそに更紗は暫し考えた末、無茶な提案を受けることにした。
「そうですね!自信はありませんが何事も経験ですし!師範、冨岡様よろしくお願いします!」
義勇は完全に引いたが、本人とその師範が問題ないと言うのならばと肉体派な2人の決定に従い1度コクリと頷くと、しのぶとカナヲの試合に向き直った。
ちょうどその時、花の呼吸をしのぶはヒラリと蝶のように躱し、蟲柱と言う名に相応しい蜂のような鋭い技でカナヲを追い詰め、その手に銀色の鈴をおさめているところだった。
可憐な2人の熾烈な戦いは蟲柱しのぶの勝利に終わった。