第16章 柱と温泉
鈴取り合戦の制限時間があと半刻を切った頃、継子以外の残った剣士は圭太を含め僅か3人となっていた。
そして時を計ったかのように、その事実を知らない継子たちはようやく再会を果たした。
「炭治郎さん、善逸さん、嘴平さん!カナヲさんまで!ずっと探していたんです!ご無事で安心しました!」
駆け寄ってくる更紗に善逸は両腕を広げて待っていたが、更紗が飛び込んで行ったのはカナヲの胸の中だった。
「カナヲさんは相変わらず可愛らしくて癒されます!怪我をされた方はいらっしゃいませんか?怪我をしたならば今のうちに……」
とカナヲの胸の中から皆の様子を伺って言葉が止まった。
炭治郎たち継子の他にあと一人、見慣れない剣士がいたからだ。
そんな更紗の様子に気付いた炭治郎はその剣士の隣りに移動して紹介をしてくれた。
「彼は村田さんって言って、那田蜘蛛山で一緒に戦ってくれた人なんだ。ここでも運良く始めの方で合流出来て、今まで一緒に行動してた。途中、しのぶさんや時透君、悲鳴嶼さんに甘露寺さん伊黒さんの気配が近くに来たけど、どうにかここまで逃げ切って来たんだよ」
炭治郎たちが出会いそうになったのは更紗が遭遇しなかった柱たちだ。
そんな偶然があるのかと悩みながらも、村田への挨拶と圭太の紹介を炭治郎たちへ滞りなく行った。