• テキストサイズ

月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第16章 柱と温泉


「木刀が全員に行き渡り次第180秒だけ待ってやる。制限時間は二刻……この山の中を精々必死に逃げて隠れて俺らの鈴を取れるよう頭絞れやァ!言っとくが俺らは一切手を抜かねぇぞ。わざわざ大々的にこうやって時間割いてやってんだ、せめて何人か残らねェと後日に行う合同強化訓練で地獄みせてやるからなぁ!」

つまり剣士の質の低下を本人たちに自覚させることを目的とした大掛かりな鬼ごっこのようなものだ。
数百人の剣士を相手にたったの9名で勝てる自信があるからこその催し。

そんな催しの勝敗は至って単純、どちらか一方が相手の全ての鈴を回収すれば勝ち……しかし制限時間内にどちらもが全ての鈴を回収出来なければどうなるのか…… 更紗はもちろん他の剣士たちもすごく気になっている。

だがこの声を発することすら躊躇われる張り詰めた空気の中では誰も質問することが出来ずにいた。

(小さな事でも質問すればいいと杏寿郎君も仰ってくださってましたし……聞かずに後悔するより聞いて怒られる方がまだマシ……ですよね?)

誰にも聞かれていない心の声に自分で頷き、剣士たちの間を縫って柱たちの目の前へと移動した。
誰も動かない中で1人動くと目立ったようで、更紗が言葉を発するまでもなく柱全員の意識がそちらへ固定された。
/ 1883ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp