第16章 柱と温泉
「大丈夫です!なんなら今から伊之助や善逸と鍛錬出来るくらい元気です!これも更紗が怪我を治してくれて薬をくれて、煉獄さんが毎日鍛えてくれてるからなんですよね……俺の方こそ何かさせてもらいたいくらいです!」
こうは言っているが炭治郎は杏寿郎の屋敷で様々な家事をしてくれている。
炊事に洗濯、掃除…… 更紗が負けないようにと先に終わらせてしまえば次の日はそれより早く終わらせ、2人の睡眠時間を心配した杏寿郎が交代制にしたほどだ。
鍛錬に関してもコツコツと努力を重ね、着実に杏寿郎からの教えを自分のものにしている。
「君は俺の継子なのだから、俺が君を鍛えるのは当たり前のことだ。そんなに気負うこともない。竈門少年が強くなっていっているのも、日々怠ることなく努力を続けているからだ」
努力が必ずしも身を結ぶとは限らないが、こうして努力を認められ強くなっていると自分より遥かに強い杏寿郎に言われ、炭治郎は少し頬を赤らめて恥ずかしそうではあるがフニャと笑顔になった。
そしてそんな和やかな空気が更紗によってふにゃふにゃになる。
「それに炭治郎さんは十分助けてくださってます。任務でも家でのことも。炭治郎さんに限らず杏寿郎君も善逸さんも嘴平さんも、たくさん助けてくださって笑顔をくれているので、私も私に出来ることでお返ししてるだけです!だから私は皆さんが今のまま変わらずいてくだされば、それだけで幸せです」