第16章 柱と温泉
剣士の質の改善に杏寿郎が頭を悩ませていたことを知っていた更紗は、近々杏寿郎の悩みが1つ解決することに胸をなでおろした。
「そうなのですね!私も一剣士として他人事ではありませんので、是非ともそれに参加させていただいて強くならなければ!ちなみにどのような内容かお伺いしてもよろしいですか?」
杏寿郎は目をカッと見開き、瞳を爛々と輝かせて大きく頷いた。
「合同強化訓練、またの名を柱稽古を執り行う!」
「柱稽古?大掛かりなものになりそうですね。柱稽古と言いますと、やはり柱の方々に剣士全員が稽古をつけていただけるということですか?」
「そうだ!だが、何分その柱の都合がなかなかつかん状況でな!警邏やら任務やら雑務やらで手一杯で、近々ということ以外はっきりとした日程は決まっていない」
それはそうだろう。
継子の更紗から見ても杏寿郎はとてつもなく忙しい。
今の状態だと柱稽古なるものを敢行できないのも頷けるほど、柱は日々鬼の対応に追われているのだ。
「大々的なものとなりますと、やはり準備も大変ですものね……何か私に出来ることがあれば何でも言ってください!柱の方々にはお世話になっていますし、雑務でもなんでもどんどん回してください!」