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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第16章 柱と温泉


なんとなく天元も更紗の胸中を感じ取り、苦笑いを浮かべた。

「お前らの下を歩くってわけじゃねぇからな?じゃなくて、今まで忍として数え切れねぇくらい命を奪ってきたから、血なまぐさい世界から足洗って嫁たちと1から普通の生活送ってみんのも悪くねぇかなって。んで、姫さんたちと肩並べて歩きたいのよ。だから、俺は鬼殺隊を抜ける。お館様から要請があれば出来る限り力になるつもりだがな!」

「分かりました!分かりましたが……鬼殺隊じゃなくなっても、仲良くして下さい。これでお別れなんて言わないで……今までみたいに遊びに来てもらいたいし、一緒にご飯食べたりお話ししたい。遠くの存在にならないで……」

身を縮こませて涙を流し、普段の話し口調より幼い言葉を紡ぐ少女の姿に天元の涙腺も緩みそうになるが、それを必死に押さえ込んで更紗の脇に手を差し込み胡座をかいている杏寿郎の脚の上へ座らせる。

それと同時に杏寿郎は更紗の肩へ腕を回し、更紗は縋る場所を求めて杏寿郎の回された腕に顔を押し付けた。

「俺と同じこと思ってんのな!俺たちは遠い存在にならねぇよ!姫さんこそ、煉獄のそばを離れるなよ。2人が幸せに笑ってるなら俺たちも笑ってるし、なんなら今までより時間あるだろうから、飯でも話しでも鍛錬でも音を上げるほど付き合ってやる!」
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