第15章 箱庭に流れる音色
天元と炭治郎が戦闘を開始したのを確認すると、更紗は走り出し上下左右から襲いかかって来る帯を避けながら妹鬼との間合いを詰める。
それにつられるように2人も別方向から妹鬼の懐に入ろうと試みるが、これ以上間合いに入れるわけにはいかないと帯の攻防は激しくなった。
それでも間合いに入ろうと闘っている2人に、更紗は天元から伝えられた上弦ノ陸の倒し方を叫び伝える。
「この妹鬼は単体で頸を斬っても倒せません!下で闘っている兄鬼の頸も斬れてる状態で初めて倒せます!まずは頸を斬って、それを胴体から離すことを目標にしましょう。私が帯を斬り刻むので、間合いを詰めてください!」
2人は攻撃をいなしながら1度鬼と距離を取り、更紗が技を放ちやすように場所を開ける。
それに素早く反応し、更紗は2歩下がって炎の呼吸の技を複数立て続けに帯へと放ち、宣言通り目に見える帯を斬り刻んで2人が間合いに入る隙を作り出した。
「頸を狙ってください!私も狙いにいきます」
「アンタ、本当に苛つくわね!」
帯は2人にも向かっているが、先ほどからちょこまかと動き回り、洞穴内から苛立たせる言葉を向けてくる更紗へと帯を多く向かわせ先に倒そうとしている。