第15章 箱庭に流れる音色
「ちょっと待って!まさかと思ってたけど、やっぱり更紗ちゃんだったの?!なんで髪の色がっ……いでででで!」
更紗が案を話そうとした瞬間に善逸が間に入ってきたので、天元は目を吊り上げながら善逸の頭を強く手で鷲掴みにして、強制的に口を閉じさせた。
それを更紗は止めようとするが、そんな事より話せと視線で訴えられ、心の中で善逸に謝罪しながらそれに従った。
「先ほどの帯、雛鶴さんが人を取り込むと仰られていました。もし須磨さんとまきをさんがそれに取り込まれて身動きが取れないならば、私が敢えて取り込まれて助け出す……と言うのはいかがですか?他にも捕まってる方がいらっしゃるかもしれませんし、いい案だと思うのですが」
天元と雛鶴の嫌な予感は見事的中した。
ただでさえ炭治郎たちが駆けつけるという不測の事態が起こっているこの状況で、更に頭を悩ませる案件を投げ込んでこられたら、ため息もつきたくなるだろう。
「あのなぁ……ここに煉獄がいたら、それこそ『許可しかねる!何を考えているのだ?』って姫さん絶対言われてるぞ?それを分かってて、そんな派手に危険な案を出してんだよな?」
「もちろんです!杏寿郎君のその言葉や表情は頭に浮かびますが、内と外から捜索した方が確実だと思います。炭治郎さんたちがお店に潜入して外から捜索、私が帯に取り込まれて中から捜索。発見した者が適宜対処すれば、天元君は鬼に集中出来るはずです!」