第15章 箱庭に流れる音色
「待たせたな!雛鶴はもう大丈夫だ、姫さんには感謝してる」
部屋に入ってきて早々、更紗は天元に頭を下げられ慌てて立ち上がった。
「とんでもございません!顔をおあげ下さい!私は……本当に偶然聞いただけなので……京極屋の女将さんが転落して亡くなられた現場で誰かが零した言葉を拾っただけです」
だが天元は首を左右に振りながらそうでないと示しつつ、部屋へと入り更紗の頭に手を置いた。
「それでもこうして雛鶴は救い出せた。そこは謙遜するとこじゃねぇよ!まぁ、このまま押し問答してても仕方ねぇ!俺としては鬼が京極屋にいるって判明したから、姫さんには帰ってもらうのが最善だと思ってる。煉獄にも他の継子たちを来させるなって」
「それはもう遅いぜ!なんてったって、来ちまったからな!俺様たち全員到着だ!有難く思え!」
更紗にも天元にも聞き覚えのある声が部屋の入り口から聞こえ、弾かれたようにそちらへ顔を向けると、なんとあと1日は任務から帰らないはずの継子たち全員が揃い踏みしていた。
「え?!どうして皆さんがこちらに?明日も任務があるとお伺いしていたはずですが……」
驚く2人に炭治郎が歩み寄って事の顛末を話した。