第4章 鍛錬と最終選別
2人が改めて約束を交し、機嫌良く作ったおにぎりを竹の葉で包み、しっかりと落ちないように紐で結ぶ。
そして竹筒に茶を入れて完成。
ちょうど杏寿郎も準備を終えたらしく、髪の上半分を結い上げ、隊服に炎柱の象徴である羽織を肩にかけた姿で現れた。
「千寿郎、更紗行ってくる、もう父上には挨拶はしている。千寿郎、お前がこの家で今1番頼りになる!俺が留守の間、更紗と父上をしっかり守るのだぞ!」
千寿郎の肩に力強く手を掛け、千寿郎に声を掛ける。
きっといつも出ていく時にしている事なのだろう。
千寿郎は真剣な顔で大きく頷いた。
「お任せ下さい、兄上はご心配せず任務を全うしてください!」
「うむ!今回の任務はそれ程大変ではない!いつもより早く帰れると思うが、先に休んでいてくれ!」
そう言って玄関に向かっていくので、2人で見送るために後に続く。
そして門まで来たところで、竹の葉で包んだおにぎりと竹筒を渡す。
「千寿郎さんと作りました。道中、しっかり食べて元気に帰ってきて下さい」
杏寿郎は嬉しそうに受け取り、背中に背負うようにしている風呂敷の中にそれらを入れた。
「助かる!これがあれば百人力だ!では、行ってくる!」