第2章 ルージュのささやき
「ありがとうございます…ユウリ本当にお前は強いですね」
「ガラルNo.2の元ジムリーダーさんが言う事?」
にかっと八重歯を見せて笑うユウリに癒されているのもまた事実で。
「なにを言ってやがるんです?チャンピオン」
嫌味ったらしく言い返したネズにユウリは笑顔で返事をかえした。
軽くネズにもたれ掛かりユウリは目を閉じ温もりを感じていた。
1度断られたそれでも好きで好きで今こうして大切だと言って貰えることがなにより幸せだと思う
「はー。幸せだなぁ…
チャンピオンになってダンデ兄の孤独を知ってしまって。本当は少し心細かった
私のしたかったバトルってなんだったのだろうって贅沢な悩みだよね」
「悩みに終わりなんてねぇですよ。俺も皆も
ただ辞めた身でいうのもなんですけど何が最善だったなんて今でもわからない。
お前らしく悩みバトルをすればいい。それだけです」
「悩み続けろってひどいなぁ、でもそれはそれでいいのかも。楽しんだもん勝ちだよね。」
そう、そういうところですよ。
お前の強さは。
真っ直ぐに前を向く瞳をずっと見ていたい。
そんな風に思うのも彼女と出会ったからだろう。
「お前はそれでいいんです。」
そうして2人ぬくもりを感じているとユウリのロトムがマリィからのメッセージを伝え名残惜しそうに離れ、
ネズも軽くなった自分自身に寒さを覚えながら立ち上がった。
「行きますか。マリィのところへ」
「はい!…あれ?もう大丈夫なの?ネズさん」
「えぇ、もう大丈夫です。」
先にドアの方に行くユウリが振り返りたずねるとなにもないようにネズがついて行った。
日が照らす午前の事。
2人にちょっとしたひと時を