第12章 雨晴らし
それまでのことが嘘のように実弥はスッキリとした顔をしていた。
ずっと苦しめていたんだと思うと申し訳なかった。
「ねえ、お願いがあるんだけど」
「ん?」
晩ごはんの片付けをする最中、私は実弥に両手を合わせて言った。
「明日お出かけしたいんだけど行ってもいいかな!?」
「……どこに」
「どっか!何かね、もうすっごく疲れちゃって家にいたらぐうたらすると思うの!せっかくの夏なんだからそと行きたいの~!!!」
必死に懇願すると、実弥はあっさりとうなずいた。
「いいぜ。」
「やった!」
「俺もついていく。」
「えっ!いいよ一人で…」
「アホ。」
実弥は大きなため息をついた。
「俺に一人で留守番させる気か?」
「あっ。確かに…。ドンマイ。」
「まだ置いていくつもりか。」
「しょ~がないなあ!ついてきてもいいよっ!」
「…ムカつくからやめるゥ。」
「嘘です一緒にお出かけしたいです。」
最敬礼で頭を下げると、実弥は満足したように笑った。
というわけで二人でお出かけすることが決まった。足が楽しみだなぁ~!!!