第71章 何したらいいの?
旅館でのんびりしつつ、ちょっとした観光地で実弥へのお土産を大量に購入。
再び旅館でダラダラし、夜はまた春風さんが酔い潰れ、男子三人の枕投げを眺め、疲れてそのうちみんな寝落ちていった。
朝になるとなぜかまた私の布団に集合していて、大笑い。
「あんたたちとこんなことできるなんて、思ってもみなかったわ。本当にこの数日間の私たち、子供みたいだわ。」
「男はみんな子供でショー」
「私、女なんだけど!」
「忘れてましたー」
なんてことを話しながら、また大笑い。
「さあ帰りますか!!」
「「「おー!」」」
春風さんの合図で私たちはさっさと退散。
そして夜には私の家に着いたのだが…。
みんなドアの前までついてきた。理由は実弥に謝るためだ。みんなで一緒に謝ろうと言ってくれたので言葉に甘えた。
私は家の扉を開け、最初に中に入った。みんなには外で待っていてもらうことに。けっこう帰ってくるのに時間かかったからなぁ…もう23時だよ。とほほ。
「ただいまー…」
もう寝てるか、とも思ったが。
実弥の気配がしない。
あれ、と思ってキョロキョロ見渡す。
おはぎの気配もない。
スマホを見るも、彼からの連絡は来ていない。
その時、砂嵐のようなものが頭をよぎった。
「………ぁ…」
頭が痛い。耳鳴りがする。視界がチカチカとして気持ち悪い。
何か見えた。
実弥と、おはぎが見えた。
けれどすぐに2人は見えなくなって。
…なんだ?
これは、なんだ?
「霧雨ちゃ〜ん?」
「実弥くん帰ってましたか?」
「大丈夫そ?」
背後から三人の声が聞こえると同時に、それは止まった。
私の心臓はバクバクとうるさく早鐘を鳴らしていた。
「実弥とおはぎがいない」
冷静に口にした言葉に、三人とも顔つきが変わった。
「……」
春風さんがハッとして頭をおさえる。彼もまた何かを見ているらしい。