第67章 兄たちと妹
部屋が別なのっていいな。
私は改めてそう思って起き上がった。
めっちゃ寝られる。快眠。最高。
……あ、これからソファーで寝るという手もあり…。
そういえば実弥は今日からお仕事だな。そろそろ起きなくて良いのか…って、あいつのことは別にいいか。
仕方なく朝ごはんでも作って………。
と思ったが、よくよく気配を辿れば実弥はもういないみたいだった。
「あんのやろうどういうつもりだああああああああ!!!!!」
むきゃー!!と一人発狂するも、自分の体を見下ろして驚いた。
薄手の毛布一枚で寝ていたつもりが毛布やら膝掛けやらこれでもかというほど私の体にかけられていた。
テーブルの上にはラップのかかった朝ごはん。
…ちょっと落ち着いた。
喧嘩してたのに、アイツ…
まあなんで喧嘩になったのかわかってないんですけどね!
「っていうことがあったんですよ」
『おやおやおやおやおや』
電話の向こうの春風さんに全て話すと、彼は混乱しているようだった。
『え何です?兄?二人?実弥くん?喧嘩?はい?』
「あ、それでだいたいあってますんで」
『はーーーーーー、何かと思えば、とんでもないことになってたんですねぇ』
春風さんは感心しているみたいだ。
『さんが良い人だとおっしゃるなら間違いありません。私もそのお兄様方たちに会わせてもらえませんか。』」
「ううっ春風さ〜ん!そうですよね!!なのになんで実弥はそう言ってくれないんでしょう!?」
『…うーん、実弥くんは…なんででしょうかね。何が嫌なんでしょう。どこか棘のある言い方とかしませんでした?』
「いや、信用ならないなら一度会ってくれとまで言ったんですよ?」
『…どうしてですかねぇ。』
春風さんと一緒になって考え込む。
『もしかしたらお兄さんの何かが気に食わないのではないですか?』
「へ?」
『実弥くん、いきなり出てきたお兄様方にさんを取られたみたいで寂しいとか〜!!』
「あっははっはははは!もうっ冗談ばっかりぃ〜」
『ははっはは…は……は』
そのうち二人とも自然と笑わなくなった。
…ん?なんかすごい不安になってきた。