第2章 混濁
ぼんやりとする。何だかもやがかかったみたいだ。
何だ?
私はそれをどかそうと手を動かしたが、思うように動かない。
手が痙攣していた。それに、細長い管がたくさん伸びていた。
何だこれは。いやそんなことより、はやくしないと。
はやく行かないと。
…?
あれ、どこに行くんだっけ。
ここどこだろう。
何でこんなところにいるんだろう。なんで私は寝てるんだろう。動きたいけど動けない。この管、邪魔。
手を動かしたいけれど、やはり痙攣してうまく機能しない。指先が動くだけだった。
「………あれ、起きたんじゃない?」
女の子の声がした。
ひょっこりと私を覗き込む顔が見えた。
?可愛い子。蝶々の髪飾りしてる。
「ちょっと、不死川くん、寝てる場合じゃないわ!!」
「本当?起きたの???」
次に幼い顔をした男の子が見えた。髪が長い。顔に当たってくすぐったい。しかしすぐに視界から消えた。
「起きて!!不死川さんッ!!!」
「ッだ!!!!!」
「あらあ、殴っちゃダメよ〜」
何やら視界の外で賑やかなことが起きているようだった。
「な、何だ、今何時だ」
「もうすぐ夕方よ。ほらあれ見て。」
次の瞬間、ドタドタと慌ただしい足音が聞こえて、また別の顔が見えた。
「」
その言葉が聞こえた途端、私の意識は覚醒した。