• テキストサイズ

キメツ学園ー輪廻編【鬼滅の刃】

第56章 時間はない


逃げよう、と言われて私たちは駅に来た。

腕を引かれるままついてきたが、無一郎くんが切符を買おうとするところで我に帰った。


「どこに行くの?」


無一郎くんは答えてくれなかった。

電車に猫は乗せることができないので、おはぎは持ち運べるゲージを咄嗟に購入してそこに入ってもらった。


「……なんかすごいことになったなぁ」

「でも僕楽しいです!」

「…そう。」


私はふふっ、と笑った。
まずいのはわかっていたけれど、なんだかもうどうでも良くなってきた。

きっと今の私は頭が働いていない。


「怒られちゃいますね」


無一郎くんも笑っていた。


「なんて言い訳しようか」

「別に、正直に言えばいいんじゃないですか?」

「頭のおかしい奴って思われちゃうよ」

「いいです、僕はそれでも」


ただ意味もなく電車に乗っていると思っていたけど、ちゃんと目的地があったらしい。無一郎くんは私を連れて遠く離れた駅のホームに降り立った。

……あれ?なんでこうなったんだっけ?


ていうか私何に怒ってたんだっけ?


「知り合いがやってる宿があるので行きましょう」

「あ、うん」


よし。

とにかくもう考えるのはやめた。


今はもう逃げちゃえ………。
/ 1161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp