第55章 いい子いい子
さて、一番の本題だが。
おはぎが子供って言ってるけど、子供…子供と言えども女は女!!!しかも子供ってどんぐらい子供よ!?
18歳とかそんな女の子だったら絶対許さないし、3歳児とかでもこの家を出て行ってやる!!!
子供ってどこまでが子供!?どこら辺までセーフかな。どこら辺まで犯罪にふれないのかな!?
何にせよ女の子を連れ込んだというのはちょっと…いや、かなり複雑なんだけどここは真意を確かめなければ…!!!
「あと、…おはぎが言ってることだが。」
「………」
「俺は連れ込んでねェ。あっちが勝手に来たんだ。」
それを聞いた瞬間、ビキッと自分のこめかみに血管が浮かんだのがわかった。
『おいこらそんな犯罪者の常套句みたいな醜い言い訳しやがってそんなんなら聞かないほうがマシだわボケ』
と、怒鳴りたいのを堪えて必死にニコニコ笑った。
血管を浮かばせながら急に笑い出した私に実弥がさっと目を逸らす。
「……阿国が」
そして一番大事なことを一番小さな声で言われた。
「は?」
思わず口が開いた。
限界だったけど口だけで手が出なかったのは拍手喝采ものだ。
「お前は向こうから来たら女子中学生を家に入れるのか…!!!」
「待て、、話はまだ…」
「〜〜〜〜〜」
私はだん!と強く床を踏んだ。
「帰る」
「は」
「実家に帰る!!!」
くるりと振り返ってドタドタと大股で自分の部屋に向かう。しかし、実弥が当然そんな私を止めてくる。
「離せ!!私がお前をビンタしてぶん投げて踏みつける前に私の視界から消えろ!!!」
「待て!!だから違うんだって!!!」
「知るか!!!過程も事情もどうでもいい!!!」
私は手を振り払って勢いに任せて叫んだ。
「私は!!お前の!!そういった軽率な行動が!!!私は世界でいっっっっっっちばん嫌いなんだよ!!!」
「…ッ」
実弥がちょっとだけ悲しそうに目を伏せた。それでほんの少しだけ私は冷静になり、深くため息をついた。