第51章 リスクヘッジ
陽明くんに言っていた日がついにきた。今日は童磨くんが身柄を解放される日……。
産屋敷のおかげでずいぶん引っ張ってくれたみたいだけど、もう限界だったんだな。てか、外に出たってことはやっぱり証拠不十分か……。
「これはもう、現行犯しかないよねえ。」
私は朝日を眺めながらぼんやりと呟いた。
…実弥のせいで寝不足だ。全く。今日は休日だから実弥はのんびり寝ているけど、私は珍しく早起きだった。
「おはぎ」
「にゃああ」
「…よし、お行き」
そこで私は刺客を放った。許可を出すと、おはぎは躊躇いもなく私の部屋に入り、ベッドに飛び乗った。
「うなあああああ〜!!!!!」
「いって!!!!!!」
おはぎはもろ実弥の顔面を踏みつけた。
あ、別に悪意があるわけではなくってただおはぎは戯れてるだけ。私は思う存分じゃれてこい!!と送り出したわけだ。
「にゃあ!にゃあ!!!」
「いて、いてっててて、顔やめろおおお!!!」
ギャーギャー遊び回った後、おはぎは私の元へと戻ってきた。
「楽しかった?」
「にゃ!」
おはぎは甘ったるい声をだした。続いて、いつもよりも寝癖爆発の実弥がしかめっ面で部屋から出てきた。
「おはようだにゃ!」
「にゃ」
「……ハイハイ、ニャー」
あ、意外にも乗ってくれるんだ。
…録画しておけばよかった、こんなに可愛い実弥レアなのに!!!
「おい」
「にゃ?」
「普通に起こせ」
洗面台に行く前にただならぬ形相で睨まれ、私は短くはいと返事をした。
……すみませんでした。