• テキストサイズ

キメツ学園ー輪廻編【鬼滅の刃】

第44章 傷が消えるまで永遠にー過去の記憶ー


連れてこられたのは、煉獄家とまではいかないがそこそこ大きなお屋敷だった。


「じゃ、ここがあんたの部屋だから。」


あのお屋敷ではなかった自室まで用意されていた。


「煉獄とは違って、私の家ではやることはやってもらうわ。掃除もご飯もお風呂も。いい?」

「………」

「しなさい。いいわね。」


そう言われてもポカンとしていた。


「しなさいって言われたら、『はい』って返事しなさい。」

「はい」

「…なんか理解してるかわからないから、『はい』の後に自分が何をするのか復唱してくれる?」

「はい。そじも、ごはも、おふろもじぶんで、するのだ」

「そうそう。そうしたら話す練習にもなるし……」


その人は苦笑した。


「その変な話し方もどうにかしないとね。」


私はやはりぼんやりとして彼の言うことを聞いていた。

彼は根気強くいろんなことを教えてくれた。一月もしないうちに私は身の回りのことができるようにあった。


「霧雨ちゃん、今日はもう掃除はいいわ。」

「はい、そうじはしない」

「目上の人と話すときは敬語を使うって言ってるでしょ?後ろに『のです』ってつけてたらまあ間違い無いから、ちゃんと使いなさい。」

「はい。そう、じはしない、のです」


私にできることが増えると彼は嬉しそうに笑った。


「そうそう。今夜は私についてきてちょうだいね。」

「はい、あっぱれに、ついてく、のです」

「目上の人を呼ぶときは苗字が適切よ。敬称も忘れないで。」

「あ、ああ、アジョ…」

「あ、ん、じょ、う」

「あじょう、どの」

「…どの、じゃなくてもいいけど……。敬称も覚えないとねえ。」

「はい、あんじょ、ど・のによる、ついていく、の、だ、です」

「………」


天晴さん、改め安城殿は困ったように笑った。それでも、彼はじっと私の顔を見て長々と話に付き合ってくれるのだった。
/ 1161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp