第4章 夢想
賑やかになったが、私は前と同じように活発に動くことはまだできないので寝転んだまま話をしていた。
寝たきりだったために衰えた体力がまだ戻らない。これは仕方のないことだけど。
「もー本当にびっくりしたんだからあ!!心臓が止まるなんて聞いてません!」
「それは私も聞いてないです、須磨さん…」
一番騒がしかったのは須磨さんで、ギャアギャアと隙あらば涙ながらに怒鳴った。
まきをさんと雛鶴さんに注意され、二人に引きずられるように病室から出て行った。……いったい何しに来たんだ。
「しっかし、お前本当によく生きてたなあ。」
「それは本当にそう思います…。」
「お前に見せてやりたかったぜ、不死川の狼狽っぷり…。あ、ムービーあるけど見るか?」
「何それ見たいです」
「今すぐ消せやァ」
実弥に睨まれながらも宇髄先輩はニヤニヤと笑う。
「大学時代が懐かしいね。あんなにヤキモキしてたお前らがこんなに仲睦まじくなるとはなあ。」
「いつの話だァ。」
「二人きりの時は不死川があんなに甘えたになるとはな…ぶっ」
「よし、殺す」
「落ち着いて落ち着いて」
今にも暴れようとする実弥を必死に宥めたが、宇髄先輩が肩を震わせて笑い転げているのがどうしても許せないらしく、ずっとイライラしていた。
笑うに笑った宇髄先輩は満足したかのように嫁を探しに行くと言って病室から出て行った。
「せっかくお見舞いに来てくれたのにあなたばっかりお話ししてずるいじゃない」
二人きりになった後、私が言うと実弥は落ち着いたのか腹を立てることは無くなった。